過去に歯槽膿漏(しそうのうろう)と言われていましたが、今は「歯周病」という呼び方で統一されています。
では歯周病とは何の、ことでしょうか?
歯周病とは、ひと言でいってしまえば「歯周病菌が歯の周りへ侵入する病気のこと」です。
むし歯はむし歯菌が酸を出して、歯そのものを破壊しながら侵入する病気です。それに対し歯周病は、歯周病菌が毒素を出して歯の周りから侵入する病気です。ここで大事なことは、どちらもばい菌による病気=感染症であるということです。
歯の表面を爪でこすってみてください。白いものが取れてきたら、それが歯周病菌です。誤解されることが多いですが、食べカスではありません。菌のかたまりです。
ここで一度、歯周病の主な症状をご紹介いたします。歯周病はご自分で気づくことが難しい病気です。まずは次のチェック項目をご覧いただき、セルフチェックをしてみましょう。
□朝起きたとき口の中が粘つく
□口臭がある
□歯ぐきが腫れている
□歯ぐきがむずむずする
□水を飲むと歯がしみる
□歯が長くなった
□歯の間に食べ物がはさまる
□かたいものがかめない
□歯がぐらつく
□歯ぐきを押すとうみが出る
予防ができず、不幸にも歯周病になってしまった時の治し方です。
①正常
②歯肉炎
歯周ポケット
3mm程度
③軽度歯周炎
歯周ポケット
3mm~5mm
歯周ポケットに歯垢や歯石がたまる。歯ぐきから血や膿が出て、歯槽骨が溶け始める。
④中度歯周炎
歯周ポケット
5mm~7mm
炎症が進行してポケットが深くなる。血や膿が出る。歯槽骨がかなり溶けて、若干グラグラしてきます。
⑤重度歯周炎
歯周ポケット
7mm以上
歯槽骨がほとんどなくなり、抜けることも。
歯肉も真っ赤もしくは赤紫色に。
検査。
歯周ポケットの測定、レントゲンなど
歯に付着した歯石(細菌)を取り除く
歯周ポケットの深さを測定、改善具合を確認
改善が見られない部分はさらに深い部分の歯石を取り除く
改善するまで③④を繰り返す
歯周病は歯周病菌によって起こる感染症ですから、とにかく除菌することが大事です。ブラシで磨いて取ったり、超音波・殺菌薬で取ったりと方法は一つではありませんが、目的は同じ「除菌」です。増えてしまった歯周病菌の数をひたすら減らします。